立摩駒組法十番

 この本は添田宗太夫の定跡を弟子の名村立摩が完成させたもののようです。以下に復刻本の内容説明を転記してみます。


 「此一巻は添田仙翁心を用いて勤む、其法や浅く其機や深く実に萬代の珍秘にして漏らす可らざる書たり。然りと雖も一向密にして深く之れを蔵するは、美玉を泥中の物たらしむる也。顕して後哲に授くるに如かず。仍而似て爰に記す了時宝暦九秋末天吉旦。」
 とあり、又巻末に左の奥書あり。
 「此一書は双方大事の駒組みなりと雖も多歴鶴望深く其器たるに依り、相傳ふ予が連枝別葉たりと雖も、他見無用たる可し。仍而如件。       時に正徳年中   名村立摩」
 以上の附記によれば添田宗太夫の原作を名村立摩の相傳せるものなるべし。


 まあ言ってみれば、当時最も著名なアマチェアの師弟が作った定跡といったところでしょうか?まあ、今も棋書をゴーストライターのアマ強豪が書いていたりするんで、大して状況が変わらないと言えば、変わらないんでしょうが、、、。
 名村立摩の意気込みが感じられる奥書ではありますね。
 注目したいのは6の早石田。平成十六年(2004年)に鈴木大介先生が実戦で指したとされていますが、250年以上前に定跡になっています。(尤も、手順はどうも成立しないみたいですけど、、、。)
 {( )内は管理人が戦型を書き足しました。}

番号 内容
1 一番平手駒組(後手四間飛車)
2 二番平手駒組(後手四間飛車)
3 三番同(後手四間飛車)
4 四番同(後手四間飛車)
5 五番平手駒組(相掛り)
6 六番同(早石田)
7 七番同(石田流)
8 八番同(筋違角)
9 九番同(矢倉)
10 十番同(後手四間飛車)

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