石本集

 この本は国会図書館に収蔵されている手書き本で、「江戸将棋名人譜より」と書かれているので、江戸将棋名人譜とい本が出ていたのかもしれませんが、現在は不明です。外に柳雪集や名村集もあるので、その本からの抜粋と思われます。
 石本検校は文政年間(1818年〜1830年)〜天保年間(1830年〜1844年)に活躍し、六段まで昇った盲人棋客である。大橋柳雪との二十一番勝負や天野宗歩に平手で勝った将棋は有名で、又女流の池田菊女(三段)と飛車落ちと指し、王手飛車をかけられて苦戦したが、粘って逆転勝ちしたという逸話が残っているが、飛車を落しているのに、王手飛車をかけらtれたというのは、滅多にないことで、本当なのか疑問だと思う。現にその棋譜は伝わっていません。
 それは兎も角、江戸時代は盲人棋客の多い時代でもあった。例をあげると、石田検校・岩村検校・山崎勾当・与都・誰都・関澄伯理・(ちなみに昭和には時田慶三六段がいる)といった人々で、外にも何人か棋譜が残っている人が多数存在する。盲人棋客と言っても当時は、後天的な盲人が多く、視力を失った時点でも可也の棋力を持っていた人も多かったようである。
 石本集は大橋柳雪との二十一番勝負と天野宗歩との将棋を除いた64番(ダブリが一番あるので実質は63番)の棋譜が載っている。
 私は盲人棋客の中で石本六段が最強だと思っている。それはこの石本集や大橋柳雪との二十一番勝負や天野宗歩との将棋を見てもらえば明らかだと思う。
 大橋柳雪との二十一番勝負については、稿を改めて照会しますが、先ずこの石本集を鑑賞していただいて、最強の盲人棋客の実力を楽しんでいただきたいと思います。 

番号 対局者 手合 番号 対局者 手合
1 伊藤看佐・勝 石本勾当 角落 33 伊藤宗寿・勝 石本検校 平手
2 伊藤宗寿・勝 石本勾当 左香落 34 大橋宗桂・勝 石本検校 右香落
3 伯耆利兵衛・勝 石本勾当 左香落 35 勝 伊藤宗寿・石本検校 右香落
4 伊藤看佐・勝 石本勾当 角落 36 勝 石本検校・帯屋宇兵衛 平手
5 伊藤宗寿・勝 石本勾当 右香落 37 勝 深野宇兵衛・石本検校 平手
6 伊藤宗寿・勝 石本勾当 右香落 38 石本検校・勝 荻田 左香落
7 伊藤宗寿・勝 石本勾当 右香落 39 石本検校・勝 内藤竜輔 平手
8 伊藤宗寿・勝 石本勾当 平手 40 石本検校・勝 上野房次郎 二枚落
9 伊藤宗寿・勝 石本勾当 右香落 41 勝 石本検校・上野房次郎 二枚落
10 中野七郎次・勝 石本勾当 左香落 42 勝 石本検校・内藤喜三郎 平手
11 勝 石本勾当・高山丈吉 左香落 43 持 石本検校・大橋鐐英 右香落
12 中野七郎次・勝 石本勾当 右香落 44 指掛 石本検校・大橋鐐英  左香落
13 生島栄蔵・勝 石本勾当 平手 45 石本検校・勝 大橋鐐英 右香落
14 齊藤平八・勝 石本勾当 左香落 46 勝 内藤喜三郎・石本検校 平手
15 伊藤宗寿・勝 石本勾当 左香落 47 石本検校・勝 内藤喜三郎 平手
16 伯耆利兵衛・勝 石本勾当 右香落 48 内藤竜輔・勝 石本検校 平手
17 生島栄蔵・勝 石本勾当 平手 49 指掛 石本検校・内藤竜輔 平手
18 伊藤宗看・勝 石本勾当 飛車落 50 指掛 内藤竜輔・石本検校 平手
19 勝 石本検校・伊藤金五郎 平手 51 勝 石本検校・多賀亥之助 角落
20 勝 石本検校・喜多桂二 平手 52 石本検校・勝 多賀亥之助 飛車落
21 勝 川島金蔵・石本検校 左香落 53 石本検校・勝 多賀亥之助 飛車落
22 中野七郎次・勝 石本勾当 右香落 54 勝 石本検校・小倉文之丞 角落
23 勝 青池青季・石本検校 左香落 55 指掛 荻田重次郎・石本検校 平手
24 勝 伊藤金五郎・石本検校 平手 56 指掛 石本検校・伊藤金五郎 平手
25 大橋宗桂・勝 石本検校 左香落 57 指掛 大橋宗桂・石本検校 左香落
26 大橋宗桂・勝 石本検校 平手 58 勝 石本検校・大橋鐐英 平手
27 石本検校・勝 大橋鐐英 左香落 59 指掛 石本検校・岡村幾次郎 左香落
28 勝 北山官次郎・石本検校 平手 60 石本検校・勝 岡村幾次郎 左香落
29 指掛 川島宗臨・石本検校 右香落 61 石本検校・勝 岡村幾次郎 左香落
30 指掛 石本検校・中林喜兵衛 左香落 62 勝 石本検校・岡村幾次郎 左香落
31 勝 伊藤宗看・石本検校 角落 63 勝 石本検校・岡村幾次郎 右香落
32 勝 石本検校・高山丈吉 左香落 64 指掛 石本検校・荻田重次郎 平手

※11番と32番は棋譜がダブッテいる。
※40番・41番は将棋名家手合い一番・二番と同じ棋譜。
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