「将棋玉手箱」は寛政二年(1790年)に出版された、民間の棋譜53局(松井雪山氏の将棋静観では54局となっているが、53局しかない)に定跡を附した本である。民間の中では名村立摩や筑前百助等の棋譜が出ていて、民間最高峰の棋譜とはいえ、家元の棋譜が一つもないのは寂しいが、やはり当時も家元の棋譜を載せるのには、何らかの金銭を支払わなければならなかったものと思われる。編集者の名前等にも家元棋士が一切出てこない、民間だけの棋譜集の元祖かもしれません。
当時のアマの棋譜集をお楽しみ下さい。
付記:原本が非常に達筆で、よく読めない人名もありました。もし間違っていればご指摘下さい。
番号 | 対局者 | 手合い | 番号 | 対局者 | 手合い | |
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1 | 伊藤助左衛門・名村惣左衛門 | 平手 | 28 | 備中ノ平次郎・桑原君仲 | 平手 | |
2 | 名村立摩・沢原源内 | 角落 | 29 | 備中ノ平次郎・桑原君仲 | 平手 | |
3 | 名村立摩・沢原源内 | 右香落 | 30 | 鵜飼弥太郎・川崎八十八 | 左香落 | |
4 | 有浦印理・名村立摩 | 右香落 | 31 | 鵜飼弥太郎・川崎八十八 | 左香落 | |
5 | 名村立摩・吉田金七 | 右香落 | 32 | 鵜飼弥太郎・川崎八十八 | 左香落 | |
6 | 名村立摩・吉田金七 | 右香落 | 33 | 中島主計・鵜飼弥太郎 | 左香落 | |
7 | 名村立摩・星合伊左衛門 | 左香落 | 34 | 中島主計・鵜飼弥太郎 | 左香落 | |
8 | 名村立摩・石井長兵衛 | 平手 | 35 | 中島主計・宮田喜平治 | 右香落 | |
9 | 名村立摩・奥田八郎右衛門 | 右香落 | 36 | 中島主計・村田茂兵衛 | 角落 | |
10 | 名村立摩・奥田八郎右衛門 | 右香落 | 37 | 井出主税・鵜飼弥太郎 | 平手 | |
11 | 有浦印理・石井長兵衛 | 右香落 | 38 | 鵜飼弥太郎・脇坂源右衛門 | 右香落 | |
12 | 白崎織部・武田又市 | 平手 | 39 | 鵜飼弥太郎・名村門助 | 飛車落 | |
13 | 伊藤助左衛門・中島主計 | 右香落 | 40 | 市川惣助・渋谷市三郎 | 左香落 | |
14 | 伊藤助左衛門・中島主計 | 右香落 | 41 | 市川惣助・渋谷市三郎 | 左香落 | |
15 | 伊藤助左衛門・中島主計 | 右香落 | 42 | 樽屋甚右衛門・渋谷市三郎 | 左香落 | |
16 | 伊藤助左衛門・中島主計 | 右香落 | 43 | 樽屋甚右衛門・渋谷市三郎 | 左香落 | |
17 | 筑前百助・福島万兵衛 | 平手 | 44 | 樽屋甚右衛門・渋谷市三郎 | 右香落 | |
18 | 福島万兵衛・筑前百助 | 平手 | 45 | 齋藤与兵衛・渋谷市三郎 | 平手 | |
19 | 筑前百助・福島万兵衛 | 平手 | 46 | 松屋勘兵衛・加賀屋九兵衛 | 左香落 | |
20 | 福島万兵衛・山脇道作 | 角落 | 47 | 松屋勘兵衛・清水孫市 | 右香落 | |
21 | 福島万兵衛・鈴木元将 | 左香落 | 48 | 福島龍治・細田右仙 | 飛車落 | |
22 | 有田弥三郎・出雲屋勘助 | 右香落 | 49 | 金親盤治・小桜小三郎 | 右香落 | |
23 | 有田弥三郎・出雲屋勘助 | 左香落 | 50 | 水戸重次郎・大嶋喜兵衛 | 平手 | |
24 | 田中指月・川崎八十八 | 左香落 | 51 | 毛塚源助・谷宗久郎 | 角落 | |
25 | 出雲屋勘助・妻浦検校 | 平手 | 52 | 毛塚源助・小山喜内 | 左香落 | |
26 | 出雲屋勘助・妻浦検校 | 平手 | 53 | 毛塚源助・小山喜内 | 左香落 | |
27 | 備中ノ平次郎・桑原君仲 | 平手 |